2018年12月 8日 (土)

個展のみどころ

個展「SONIC」に展示するのは全部「リスプリント(Lith Printing)」という技法でプリントした。

詳しくはトークイベント(満員御礼)で話すが、それに至るまではいろんなことを試して、けっきょくこの技法で全部プリントしたのには2つ理由がある。

1つは、過去にこの技法で数回写真展をしたし、写真集も出している。加えて近年はそのワークショップもやっている。そんなわけで、慣れ親しんでいる技法だから(だからといってコントロールがむずかしい技法であることにはかわりはないけど)。

2つ目は(これが最も大きい)、自分が長い間出したいと思っていたトーンが出せたから。

それは、木版画のような画肌。ずっとそんなトーンを出したいと思っていたがなかなか実現しなかった。

でも今回出せたのは、とくに入ってすぐの部屋にある写真がどれも今年撮影したもので、それまでの撮影方法でなく、すべてリスでプリントすることを前提に撮影したから、その影響なのかもしれない。

そんなこともぜひ楽しみにいらしてください。

安達ロベルト写真展
Robert Adachi Exhibition
SONIC

2018年12月11(火)〜25(火)

Gallery Camellia / ギャラリーカメリア
東京都中央区銀座1-9-8奥野ビル5階 502号

詳細はこちら

L1014320s

© all rights reserved

|

2018年12月 6日 (木)

雨音でリラックス

今朝、息子がメディテーションのポーズを取ったので、久々に親子で(ほんの短時間だが)メディテーションをした。

「マインドフルネス」などでメディテーションが注目されるのは、現代社会に言葉と文字情報が氾濫しているからというのが大きいと思う(心と言葉と文字についてはここに書いた)。

メディテーションをするときは、雑念、つまり「あたまのなかの言葉」から意識をそらす。

おもしろいのは、あたまのなかの言葉から意識のフォーカスがズレていくと、すーっと身体の力が抜けていくこと。

裏を返せば、人(少なくとも私)は、言葉によって大なり小なり緊張しているのだ。言葉を手放すと、緊張も消えていく。

そして、あたまのなかの言葉から意識をそらすためによく使うのが、言葉以外の音である。

今朝のメディテーションでは、雨音に耳を傾けた。脳内の言葉からフォーカスをずらし、そのさーさーひたひたという音に意識を向け、楽に呼吸していると、すぐに身体がリラックスした。

言葉はいわば、過去や未来を思い煩うのに便利なツール。しかし、自然の音や呼吸は、今ここがすべて。今ここに集中すると、マインドがゼロリセットされる。それはすなわち表裏一体でマインドフルな状態なのである。

Img_4392s

© all rights reserved

|

2018年12月 2日 (日)

SONICな体験

12月11日から始まる個展「SONIC」。そのタイトルは、「音の」とかいう意味で、英語のsoundの形容詞にあたる言葉だ。

なぜこのタイトルかというと、あたかも音が聞こえてくるようなネガだけを選び、プリントしたから。

私は作曲家でもあって、これまでも写真を見てくれた本当に多くの人に「音が聞こえてくるようだ」とコメントいただいてきたにもかかわらず、今回の個展のためのプリントを始めるまで、自分自身の写真に音を意識することはまったくなかった。

だが、あるとき(この時点でタイトルは決めていない)、今回のポストカードに使っている1枚を暗室でプリントしているとき、現像液に浮かび上がる像から、撮ったときに現場で聞こえていた音が聞こえてきたような氣がしたのだ。そして、それ以降のプリントでは、それを基準にした。

加えて、私はここ2、3年、かつてないほど「音」を聴いている。音楽もたくさん聴いているが、それだけでなく、シンセサイザーを使って新しい音をつくりだしたり、旅先ではスナップをするように音を録ったりしている。

今の私の生活では、音が中心的な存在なのだ。

コンセプトを重視した現代アートではなく、そんな今の生活にシンプルに密接に関わるような作品展にしようと思った。

プリントから聞こえてくる音を感じてほしいから、過去の個展でやったようなオリジナル音楽を流すようなことは今回はあえてしない。

もっとも、見る人によっては、音を全く感じないということもあるだろう。

だが、それはそれでいいのだ。道路からの音、歴史ある建物内を人が歩く音、ギャラリストの話声など、ギャラリーには環境音が聞こえていて、それをも含めた「SONICな」体験をしてもらえればいいのだ。

Img_4258s

© all rights reserved

|

2018年11月20日 (火)

安達ロベルト写真展 SONIC

安達ロベルト写真展
Robert Adachi Exhibition
SONIC

2018年12月11(火)〜25(火) 12時〜19時(最終日17時まで)
入場無料

音楽家でもある安達ロベルトだが、意外なことに、この個展にむけてプリントを始めるまで、自身の写真に音を意識することはなかったという。セーフライトの下に浮かび上がるブラックアンドホワイトの像から旅先で聞いた音が聞こえたように感じた瞬間、自身のカメラが録音機でもあったことにはじめて気付いたのである。ゼラチンンシルバープリント十数点。

Gallery Camellia / ギャラリーカメリア 
東京都中央区銀座1-9-8奥野ビル5階 502号
http://www.gallerycamellia.jp/
https://www.facebook.com/gallerycamellia/

東京メトロ有楽町線 銀座一丁目駅
10番出口 徒歩1分
東京メトロ銀座線・日比谷線・丸の内線 銀座駅
A13番出口 徒歩5分

安達ロベルト公式ウェブサイト
http://www.robertadachi.com/

☆トークイベント「SONICができるまで」
12/14 19:30〜 おいしいコーヒー付き
¥1,000(要予約)
https://www.facebook.com/events/1972083766212965/
(12/4追記 満席になりました)

☆ギャラリーライヴ「SONUS」
12/23 19:30〜
¥1,000 (ワンドリンク付)
https://www.facebook.com/events/935182926672170/

Img_4253s

© all rights reserved

|

2018年11月 2日 (金)

Expect the Unexpected

今この記事をカンボジアのシェムリアップのカフェで書いている。地名に馴染みのない方でも、アンコールワットと言えばああと思うはず。初めてのカンボジアは、季節もよかったのであろう、とても居心地がいい。

シェムリアップは観光地だからカンボジアのなかでもかなり特別だが、いたるところに美味しいエスプレッソの飲めるカフェがある。もともとフランスの占領下だったためか、マクドナルド、スターバックスといったアメリカ系の大型飲食店がなくて、フランスやイタリア式の店が多いのもちょっとうれしい。現地の人たちは英語と同じくらいフランス語をしゃべる。

後日ツイッターFBでお知らせするが、今回はある雑誌記事の取材のために1人で来ている。海外1人旅は3月のアイスランドに続き今年2度目。チームで旅したり取材したりするのも好きだが、1人旅も好きだ。幼い頃から1人でいることが多かったためか、1人でいることに抵抗はない。

チームのときは、基本的なスケジュールがあって、それに合わせて行動する。そうすると、途中で急に面白いことに遭遇したときや、ここをもっと深めてみたいと思い立ったような場合にちょっと躊躇する。もちろん全員をそこに巻き込むこともできるが、1人だからできることもある。

たとえば、今回も、遺跡の修復にあたる人たちの昼休みにたまたま居合わせ、そこで勧められるままに一緒に酒を飲んだり、たまたま通りかかったカンボジア式チェスの店で、そのやり方を教わって対戦したりした。

これらはチームではなかなかできない、1人だったからできたことだと思う。

前に何度も書いているが、最初の海外がアメリカでの単身現地生活だったし、バックパッカーでもあったから、予想もしていなかったハッピーな偶然が旅では起きることを身をもってよく知っている。それに対して常にオープンでありたいのだ。

これはアメリカ時代に学んだことで、「expect the unexpected」である。逆説的なこの言葉、訳せば「予期せぬことが起きることを期待してなさい」みたいな意味であろか。私にとっての旅の面白さはここにあったりする。

Img_4137

© all rights reserved

|

«コンテンポラリー