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2012年4月

2012年4月18日 (水)

絵画と写真の間

私はたいがいプロフィールに「artist」というのを「photographer」より前に入れている。それを多くの方は、音楽もやるからと理解してくださっているのだが、本音はちょっと違う。

実際は、自分がやっているのは大枠で言うアートで、音楽、写真といったジャンルは二の次という、けじめのなさがそうさせている。

高校・大学でやっていた絵画は、賞をいただいたり、いくつかの本の挿絵や絵本の出版といった、今日では履歴書に書くこともない経験へとつながった。だが心は、不思議と絵画には全く傾かなかった。

やり場のない、表現を渇望する飢えた私の精神は、作曲というものにその頃出逢った。そして、やめておけばいいものを余計な苦労をわざわざ買って作曲の修行を始め、絵筆は一旦置いた。

その後写真に出逢ったときは、かつての絵心はようやくここで発揮されると思って安心した。

ところが昨年、かつて挿絵を描いた絵本の著者たちに「絵をもっと描いてほしい」と言われた。時をほぼ同じくして、海外の写真のコラージュをするアーティストたちの作品を見た。

そのときアイディアが閃いた。もしかしたら写真と絵画を一緒にできるかもしれない、と。

4/22〜30までの写真展「Life」は、インドネシアンカフェという環境なので、通常のじっくり見てもらう写真展のときとは違う、実験的な作品を出したいと思っていた。そこで、その閃いたアイディアを採用し、1枚だけ、つくってみた。

半分が写真で、半分が鉛筆画。

高校時代アメリカで、まだ友人の少なかったころ、孤独感を紛らわせるため、また、持て余していた暇な時間を埋めるため、鉛筆画をたくさん描いた。それらは図らずも、友だちをつくるための手段になった。鉛筆画を描いては周囲の人たちにプレゼントすると、皆がよろこんでくれた。

その頃身に付けた技法はずっと健在だったが、あまり発揮する場なく今日まで来た。

今回このようなかたちで発表することを、ちょっとうれしく思う。というのも、写真でもないし絵画でもないこの作品は、100%写真家でも100%画家でも100%音楽家でもない私自身に、ちょっと似ているからだ。

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2012年4月 2日 (月)

友情

先日、個人の写真をパーソナルなギフトとして撮影する「Photo For You」というプロジェクトの一環として、東京芸大で学ぶミャンマー人のハープ奏者を撮影した。

実は彼女とは2004年にラオスで行われたASEANユースキャンプという、東南アジアの若い芸術家の集いに一緒に参加していた。

私は日本側のリーダー(引率者)として参加していて、多くの若い友人がアジア中にできたのだが、そのなかでも飛び抜けて人なつっこかった彼女は、非常に印象的に残っていた。

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その数年後「日本に留学する」という連絡が彼女から来た。国では既にトップ奏者の一人である彼女が、いったいに日本に何を学びにくるのかと思ったが、演奏ではなく、音楽学の修士と博士を取ると聞いて納得した。音楽で博士号を持っている人がまだミャンマーにはいないということで、おそらく相当期待されての国費留学だ。

修士を取り終え、4月からまた博士課程に入る彼女に、写真を撮ってほしいと依頼を受けた。私のほうからリクエストして、式がある日に、学校で撮ることにした。

私も以前、異国に留学したことがあるから、これまでの彼女の孤独と困難はよく分かる。それを持ち前の明るさで乗り越えてきている彼女は、文字通りこれから祖国の音楽を背負っていくのだろう。

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