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2012年8月22日 (水)

白で描く

白黒写真では、白をどう扱うかが、大切だ。

随分前のこと(たしかカメラさえ持っていなかった頃のこと)になるが、黒地の紙に白のパステルで画を描くということをしばらくやったことがある。それは通常と逆で、影の部分でなく、光の部分を塗るということだ。

我々は小さい頃からずっと、白い紙に黒い鉛筆などで描くのが普通だったはずだ。それは影の部分や輪郭を見つけて黒に置き換えるという作業だ。

それに慣れた我々が黒地に白で光の当たっているほうを描こうとすると、ちょっと違うふうに脳を使って、ちょっと違うものの見方をしなくてはならない。

ところで、日本語の「写真」にあたる英語「photograph」は、ギリシア語の

「phos = light」と

「graphe = drawing, writing」

が語源。

つまり「光で描いた画」。「光画」と言ってもいい。

上記のように、影を見て影を描くことに慣れている我々であるが、photographの語源のように、光で描くことを意識すると、写真が変わる。つまり、黒で描こうとするのではなく、白で描くということだ。

どうやったら白(つまり光)を使って黒(影)を見せる(魅せる)ことができるかをちょっと意識するだけで、白黒写真がぐっと力を持つ。

そのためには、撮るときに、またプリントするときに、しっかりと白を視なければならない。白を視て、白をしっかり描くことで、黒がいきいきとするのである。

Yuji001001

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