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2016年4月16日 (土)

3つのインテンション〜写真展をつくる(15)

写真展「Before Fragmenting」では、主に以下の3つにおいて、意図を持って制作にあたりました。

その3つとは、作画、プリント、コンセプトです。別な言い方をすると、視覚的インテンション、物質的インテンション、知的インテンションを持って制作しました。

今回はそのうちの、視覚的インテンション(作画)についてお話します。

展示予定の作品の約9割が、無限遠で撮られたランドスケープです。近くのものに焦点を当てることなく、風景全体をつかまえています。

前にも書きましたが、このような作風の展覧会は初めて行います。ギャラリーオーナーの提案がなければやろうとも思わなかったでしょう。

でも実際にプリントをつくってみると、非常に面白く、自分のポジティヴな面が出せるアプローチでもあることに氣づきました。ありがたい話です。

さてそこで、1つ目の意図、作画についてです。それは、無限遠パンフォーカスの画で、抽象的な印象を与えるという意図です。

風景をオープンに写しているわけですから、画そのものは具象。意図を持って取り組まないと、説明的になってしまうこともあります。具象でありながら印象を抽象的にしたいわけです。

いろんな考え方がありますが、写真においては、輪郭をぼかして印象をあいまい(vague)にすることが抽象化だとは私は考えていません。対象をしっかり描きつつ、複数の解釈が可能(ambiguous)な画にしたいと思っています。

とくに私の場合、写真によって、何かのメッセージや特定の感情を伝えよう、味わってもらおうと思っていませんから、具体的でありながら、いろんな解釈が成り立つ画にしたいと思っています。

たとえば先日のウィルダーズ教授のレビューでは、「孤独感を表現するのがうまい」と言われましたが、私自身にはそのような意図はゼロなわけです。撮影中にそういう心理になったこともありません(むしろ興奮しているかも?)。でもそのように解釈されたのは納得ですし、うれしくもあります。

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