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2016年4月 6日 (水)

オランダのフォトグラファー事情の断片

4/1に冬青ギャラリーで、オランダのバス・ウィルダーズ教授の示唆に富んだトークを聞きました。そのごく一部を紹介します。

彼が教鞭をとる大学では、学生が、写真の技術やプレゼンの仕方はもちろん、最終学年では卒業後の経理のことまで勉強するそうです。大学外からの仕事の依頼を実際に受けてやったりもします。ステートメントは、入学審査のために全員が書いていて、入学後も写真を学んでいるのか物書きを学んでいるのかと思うほど文はかきまくるそうです。

また、オランダでは、写真家が自身をフォトグラファーでなくアーティストと呼ぶことが増えているそうです。「写真を使ってアートをやる人」というニュアンスのようです。

理由は「写真はもう誰にでも撮れるから」。問われるのは、写真を使って何をやるのか、何ができるのか。たとえば識字率がほぼ100%の日本では、読み書きは特別な能力ではないわけで、それを使って何ができるのかが問われるのと一緒ですね。

そして、彼の作品のサイズについて質問すると(西洋の作家にしては小さいと思ったので)、今回は日本人の好みに合わせた、とのお答え。

「所属する大学の学生は1年生のときからA0の出力は当たり前、じゃんじゃんプリントしてます。でもなんでも大きくすればいいもんじゃない。小さい作品、大きい作品、それぞれのよさがある」と結論づけたあと「でも小さいサイズの作品をつくっている有名な写真家はあんまりいないね」と付け加えていました。

そんなことを考えながら背景がボケるレンズで桜を撮っていたら、そういえば背景をボカした作風で世界的に影響力のある写真家も少ないな、とくに近年は、とか思ったりしました。

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