「写真は写真にあらず」 安達ロベルト x 木下アツオ プレトーク(2)
来る2016年6月10日(金)に、個展「断片化の前に」スペシャルイベントとして、安達ロベルト×木下アツオ フォト・サロン東京スペシャル「写真は写真にあらず」を行います(ウェブサイトはこちら)。
このトークイベントでは、新しいものごとをつくりだすためのヒント、クリエイティヴに発想するためのヒントをたくさんお話します。
我々2人が普段どんなことを考え、どんなことをしているか、時間の許す限り出し惜しみせずお話します。
写真に限らずいろんな分野で新しい発想をしたいと思っているあなた、ぜひいらしてください(それに、質疑応答で、木下アツオさんにあなたの「課題」を読み取ってもらうこともできるかもしれませんよ?!)。
さて、今回の記事は、前回のつづき。木下アツオさんにさらに質問してみました。
神戸メリケン画廊でのトークイベントより
安達ロベルトから木下アツオさんへの質問(後編)
ロベルト 以前、「写真とはサンプリング」とアツオさんが言ってたように記憶しています。その発言をヒントに、写真を音楽で考えると、いろんなことがよくわかります。
これまでの「カメラマン」は、音楽でいうと「録音技師」の役割が大きかったように思うのです。対象をいかに正確に、きれいに録れるか。でも誰もが写真を撮れるようになった今、写真家、とくに「写真作家」に求められているのが、「作曲家」や「アレンジャー」の役割です。
ところが写真ではこれまで、「録音」と「作曲」を、ごっちゃに考えてきたように思うのです。その境界を意識できると、今求められていることに近づけるように思っています。
ところで、前回、「視覚、聴覚、嗅覚が感情をつくる」という話が出ましたが、アツオさんにとって大切な感覚って何ですか?
アツオ ぼくの場合は、嗅覚かもですね。
ロベルト 嗅覚ですか。原初の感覚ほど強く感じるんですね。
アツオ はい。
ロベルト 視覚が強い人は、言葉だけでなく「視覚で考える」、嗅覚が強い人は「嗅覚で考える」、ということをやっているように私は感じているのですが、そのような実感はアツオさんにもありますか?
アツオ あります。しかも、同じように視覚で考えている人でも、人によって、「Adobe RGB」と「sRGB」のように、それぞれの「色空間」のようなものがあると思っています。
ロベルト 色空間ですか!
アツオ 一人ひとりに訊いてみるとおもしろいでしょう。「あなたがクリエイティヴなことを考える空間はなんですか?どこにありますか?」と。
ロベルト 自分がより自由になれる空間、独自の空間があって、そこで思考し、創造する、ということですね。
アツオ 一人ひとりがクリエイティヴになれる、個性を発揮できるヒントがそこにあると思いますよ。あとは「考える単位」ですね。
ロベルト 単位ですか。
アツオ ある人は例えば輝度で写真を考えるし、またある人はBPM(テンポ)で音楽を考えます。自分自身がものごとを測るときやクリエイティヴな発想をするとき、得意な単位は何か、それを知ることも重要です。
☆ 話はまだまだ尽きません。つづきは6/10に!
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「写真は写真にあらず」
安達ロベルト×木下アツオ フォト・サロン東京スペシャル
2016年6月10日(金)19:00〜
ギャラリー冬青
【定員】 先着35名
【ご予約方法】 お電話またはメールにてお願い致します。
電話番号:03-3380-7123
メール:gallery@tosei-sha.jp (件名:安達ロベルト氏トークショー申込み)
【参加費】 2,000円
【内容】 大学で国際法を学んだあと、音楽、絵画、音楽劇の脚本・作曲・演出と、メディアを 自在に縦横断しながら写真作品をつくりつづける安達ロベルトと、 写真家でありながらクリエイティブ・ディレクターとして、 写真展、写真学校、イベント、音楽、ギャラリー、カフェ、農業をディレクションする木下アツオが、 「写真バカ」じゃないからこそできるクリエイティヴな写真制作とは何かについて語ります。 2人がどのように新しいアイディアを生み続けているのか、何を考え、どのように制作しているのか、 その創造性の核心に迫ります。
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