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2016年6月 1日 (水)

やったこと、やらなかったこと、できたこと 〜写真展をつくる(18)

いよいよ3日より写真展「断片化の前に Before Fragmenting」が始まります。

この展覧会では、今までの個展と同じようにやったこと、新しくやったこと、今回はやっていないこと、があります。

まず、今回もアナログのブラック&ホワイト、ゼラチンシルバープリントです。

デジタルから考えると相当手間かけてます。もちろん、写真に限らず、手間をかけたからといってそれがいいものになるわけでは必ずしもありません。でも、ちゃんとした素材を仕入れてちゃんと仕込んでちゃんと調理したものが美味しくなるようなことと、同じことをしているんだと思っています。美味しいと思っていただければうれしいですし、個性的な味と思っていただくのも光栄です。

荒木さんがよく言われてることで、アナログ写真はそのプロセスでずっと「水」を使う、ということがあります。私にとってもそれは大切なポイントなんだろうなあと今回あらためて感じました。

あと、フォーマットが35ミリなのも、プリントサイズが小さめなのも、これまでと共通しています。

新しくやっていることもあります。印画紙と現像液が過去の個展では使っていないものです(印画紙については前にここで触れています)。マットの切り方も少々違います。

今回やらなかったのが、ギャラリーに流す音楽をつくること。過去の個展では、作曲して録音して、CDをつくったりしています(これこれなんかがそうです。なのでこれらは、ギャラリーで流す音源を探している方にオススメです)。

冬青さんは、普段から音楽を流していません。私は実はそれに好感を持っています。

日頃ギャラリーやカフェに行って、ここは居心地がいいなあと思ったら音楽がかかっていなかった、という体験をときどきします。

日本の店舗や人の集まるスペースでは、どこでも「BGM」が流れています。たぶん、音楽を選んで使って居心地のいい空間をつくろうという積極的な意図があってやっているところは少数で、むしろ、BGMがないことを理由に何かが不足していると思われるのがいやで流しているとか、そもそもBGMがあるのがサービスだと疑わずにやっているといった、消極的な理由が多いのではないでしょうか。

音楽は空間を直接間接支配します。近所の少年たちが深夜にたむろって困っていたコンビニのBGMをクラシックにしたら来なくなったという話があるほどです。

そんなわけで、今回はCD「Before Fragmenting」をつくりませんでした(意外なことに、ライヴ会場よりギャラリーのほうがCDが売れるので、ちょっとさみしくはあるのですけどね)。

最後に、今回できたこと(いろいろあるのですがとりわけ)。写真は、ウェブや印刷で見たほうが、実物のプリントよりよく見えることがよくあります。でも今回は、実物のプリントで見ていただくのがベストじゃないかなと思っています。ぜひいらしてください。

☆安達ロベルト写真展「断片化の前に Before Fragmenting」冬青ギャラリー6/3〜25

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「断片化の前に」プラニング・スケッチより

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