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2017年1月15日 (日)

持続するモチベーション

インスピレーションについてのつづき。

では、写真家はどのようにインスピレーションを得るのだろうか。私が関わってきたあらゆるアートのうち、写真ほど簡単に作者(私)がインスピレーションを得られる媒体を知らない。どうすればいいのか。旅に行けばいいのである。

インスピレーションというものが、「これをつくりたい!」と作者を一種の興奮状態にさせるものだと仮にすると、瞬間の画像を取り込むということが写真家の仕事であれば、「これを取り込みたい!」と思わせてくれるものが写真家にとってのインスピレーション(俗に「写欲」と呼ばれているもの)である。

旅に行くと、見るものすべてが新鮮だ。脳は新しいものを見るとそれを記憶しようとする。すると脳は活性化し、一種の興奮状態になる。撮り手はその興奮に忠実にシャッターを押し続ける。

ところが、それだけでは「作品」としては成立しない。選び、現像し、プリント、編集と作業は続く。展覧会にまで発展する場合もある。そこには持続するモチベーションが必要だ。

ところで、前回紹介した3人のアーティストは、ジャンルは違うが(作曲、小説、絵画)、作品は共通して「緻密」。仕上げるのに膨大な時間とエネルギーを必要とする。

作品を構想をすることと、それを実際に完成度高く仕上げることとの間には、天と地くらいの違いがある。壮大な作品の場合はとくにそうだ。では、彼らが継続して作品と向かい合い、フィニッシュまでもっていける理由は何か。

それが、いま注目されている「グリット(grit)」という能力である。この3名に共通しているのは、彼らがグリットを持っているということ。グリットについては次回。

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