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2017年1月24日 (火)

ラルフ・ギブソンにとって大切なもの

「語りすぎない技術(art of understatement)」を用いている写真家と言えば、ラルフ・ギブソンがその一人だ。

彼はいろんなところで写真の「抽象化」について話している。だが、ボカしたり、曖昧にすることなく、写るものをむしろシャープに描き切る。

抽象的な印象を見る者に与えるのは、被写体の選び方、フレーミング、そしてコントラストにおいて、語りすぎない写真をつくっているからだろう。以下のビデオでは、そのヒントになるようなことを語っている。

「私は常に『なんでもないもの』の写真を撮りたいと思っている。すごいシャッターチャンスを待つわけでもない。驚きもない。私が撮りたいのは、私の『認識行為』が映り込んでいる写真。被写体はあくまで中身(コンテンツ)をサポートするためのもの。私にとっての写真とは、中身であり、被写体ではない。」

言葉を補えば、ここで言う「中身」とは、彼の認識行為、つまり「ものの見方」のことだろう。自身がどう世界を見ているかが彼の写真には大切なのであって、何が写っているかは関係ないということだ。

被写体が主役の写真では、その被写体が何であるかを伝えるために、どうしても作者は「語りがち」になるが、中身が主役の写真では、ちょっとちがう。

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