脚本・作曲・演出

2017年5月 2日 (火)

シンプルなことを徹底的に考える

「慈眼寺」「さまよえる魂」、盛況のうちに終了しました。お越しくださった方、応援くださった方、スタッフの皆さま、俳優のお2人、演奏家のお2人、本当にありがとうございました。

観に来てくれたアーティスト仲間が感想メールをくれたので返事を書いていたら、書きながらいくつかきづきがありました。

まず、私が演劇で生演奏を使うのが好きなのは、画家が画肌を大切にする感覚に近いのかなということ。

生演奏のテクスチャー、レイヤーは、デジタル録音をスピーカーで流すものとずいぶん違います。

画のテクスチャーやレイヤーも、厚みとヴァイブレーションを感じさせ、見る人に身体感覚として伝わります。Photoshopで画肌のテクスチャーを加えた画と、実際に何重にも塗り込んだ画肌では、仮に表面の模様がいっしょでも、まったくちがう印象を持つのが人間です。同じようなことが音楽にも言えるのです。

ちなみに、この画肌の感覚、写真で出すのは、とてもむずかしいのです。少なくとも、紙を高級にしたらいいとか、そういう次元のものではありません。

つぎに、作曲や脚本は私にとって、「記号」をつくる作業ということをあらためて確認しました。その記号は、指揮者や演奏家、演出家や俳優が自由に解釈できます。

作者本人が演出もしているので、さぞ思い通りのものをつくっているだろうと思われがちですが、実はステージで披露されるものは、当初の構想とはけっこうちがうものです。なぜなら、奏者、演者の解釈がそこに加わるからです。

100%コントロールできない、いやむしろコントロールしない、その「委ねる」感覚が、私はすごく好きです。

もちろん、委ねる相手は誰でもいいわけではなくて、この人に委ねたいという演奏家や俳優と組んでやっているわけです。

写真でも同じようなことがあります。それは、プロのプリンターにプリントをお願いするとき。ネガという楽譜をプリンターさんの解釈で演奏してもらう感覚です。私にとって、ネガは複数の解釈が可能な「記号」なのです。

楽譜という記号を演奏家が作曲者の想像を超える音で奏でてくれるように、プリンターさんがその技術で美しいトーンの写真に仕上げてくれるわけです。

もう1つのきづきは、演出は私にとっては料理に似ているかもということ。

レシピと素材を用意して、自分なりの仕上がりの構想を持ちながらも、現場の状況から、火加減、味付け、分量の調整をしつつ、最終的に美味しいと思えるものに仕上げます。

味の好みが人それぞれなのと同じように、演出の好みも人それぞれですので、落としどころの判断はむずかしいのですが、私の場合、料理がそうであるように、演出も比較的大味、あるいはシンプルかもしれません。

そう考えると、自分的に最高のごちそうであり得意料理がおにぎりと味噌汁なので、演出や作品も、それくらいシンプルなものに徹してもいいのかもと思ったりもします。

シンプルなことを徹底的に考える。もうちょっとそういうことをやろうと思いました。

Pilgrim

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2017年4月 7日 (金)

「さまよえる魂」のテーマ

コメディ「さまよえる魂」のテーマ曲の動画、アップしました。

4/30の予習にも。

「あんときも、桜の花っこ、咲いてらっけなぁ」

4/30公演の詳細はこちら

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2017年4月 4日 (火)

なぜ河井継之助に魅了される人が後を絶たないのか

幕末の越後(新潟県)長岡藩に河井継之助(かわいつぎのすけ)という人物がいました。「最後の武士」と呼ばれることもあります。

継之助は永い間、歴史の表舞台に名前が出てくることはほとんどありませんでした。ところが、司馬遼太郎さんが小説「峠」でその生涯を描いたことで、一躍全国にその名が知られるようになりました。

継之助の魅力をひとことで言えば、「型破りな発想と行動力」。

黒船の来航を端に日本中が沸き返り、混乱するなか、新しい日本をつくろうとする西の朝廷軍と、それまでの体制を守ろうとする東の幕府軍との間で、国のあり方をめぐる争いが起きます。

薩摩・長州を中心とする西軍は、朝廷の力を利用して、諸藩を次々と傘下に収めます。彼らは長岡藩も当然味方に付くだろうと考えます。

対する東軍の中心は会津藩。古くから結びつきの強い長岡藩に、その側に付くよう迫ります。

すると河井継之助は、驚いたことに、どちらの側にも付かず、「武装中立」を貫こうとするのです。そして、西軍・東軍双方に停戦を求めようと考えます。

西軍を説得するつもりで望んだのが「小千谷(おぢや)談判」と呼ばれる、岩村精一郎との会談でした。

ところが、親子ほど歳の離れた2人の話は噛み合ず、継之助のことを田舎藩によくいる出来のわるい家老だと思っていた岩村は、継之助の言い分をまったく聞こうとしません。

この小千谷談判での決裂をきっかけに、東軍側に付くことを決心した継之助は、その型破りな発想と実行力により、西軍を存分に苦しめます。

その後戊辰戦争というこの国の歴史上最も悲惨な戦争に突入していくことを、河井継之助は、きっと予見していたのでしょう。

歴史にタラレバは禁物ですが、もしあのとき小千谷談判が継之助の望むかたちで終わっていたら、日本は違う国になっていたかもしれません。

(つづく)

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4/30の音楽劇「慈眼寺」は、その小千谷談判が行われた寺の名前から取られたタイトルです。

30分ほどの短いお芝居ですが、時代の転換点のドキドキを全身で体験いただけると思います。

4/30 「慈眼寺」「さまよえる魂」
http://robert.cocolog-nifty.com/focus/2017/03/430-24ae.html

Facebookイベントページ
https://www.facebook.com/events/1309878909050375/

昼の部が満席間近です。ご予約はお早めに。

また、下の番組動画では、林修先生の人生を変えた人物として、河井継之助が紹介されています。継之助のどんなところに林先生は影響されたのでしょう。

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2017年3月15日 (水)

4/30「慈眼寺」&「さまよえる魂」

<新作「慈眼寺」&再々再々再々演コメディ「さまよえる魂」>

佐々淑子 かねこはりい
宮澤 等(Vc) 真木恭子(Pf)
安達ロベルト(脚本, 作曲, 演出, Key)

再々再々再々演には、理由があります。

2017年4月30日(日)
※ 1日2回公演
1st】 開場13:00 開演14:00 
2nd】 開場18:00 開演19:00 

各公演¥3,000 +1drink別

南青山マンダラ
http://www.mandala.gr.jp/aoyama/
107-0062 東京都港区南青山3丁目2-2 MRビルB1
Phone: 03-5474-0411 Fax: 03-5474-0412

★ ご予約・お問合せ
contact@robertadachi.com

★ チケット好評発売中
南青山マンダラ 03-5474-0411

☆☆ お叱りの声、続々と ☆☆

「最後の展開わかってたのに泣いてしまった。くやしい」

「生演奏はずるい」

「サン=サーンス『白鳥』の原曲を思い出せなくなってしまった」

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◆◆ 音楽劇「慈眼寺(じげんじ)」◆◆

時は幕末。新しい国をつくろうとする朝廷軍と、武士の世をつづけようとする幕府軍が衝突。越後長岡藩の家老・河井継之助は、双方から味方に付くよう迫られる。その後の悲惨な戦に突入するきっかけになったとされる小千谷談判で、継之助は何をしようとしたのか。安達ロベルト初の時代物。

◆◆ 音楽喜劇「さまよえる魂」◆◆

居眠りから目覚めた健介が、妻・ツルとの半生を歌って踊って振り返る。クライマックスは孫・健太郎の結婚式。十八番の「八郎潟音頭」を歌ってご機嫌な健介に、なして恥かかせたと怒るツル。さあ、皆さまご一緒に。好評のコメディ、再々再々再々演。

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