デジタルとアナログ(1)
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>>安達ロベルト・オフィシャルサイト
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ここのところよく「将来もしフィルムや印画紙がなくなって、すべてがデジタルになったとしても、私は写真を撮っているだろうか」と自問自答している。
その答えはまだ出ていないが、その際に思い出したことがある。ミュージシャンの喜多郎さんのことだ。
喜多郎さんはシンセサイザーを駆使している印象が強いが、それでいて彼の音楽にはアナログっぽい独特の空気感がある。
それには多くの理由があるのだろうが、そのうち、私が驚いたのは以下のことだ。
まず喜多郎さんは、デジタル楽器も、録音する際はすべて手弾きするそうだ。「打ち込み」と呼ばれるコンピューターにデータとして覚えさせたとおりの音を鳴らすのがもはや一般的な電子音楽において、それは非常に稀な、きわめてアナログ的なアプローチだといえる。
また、電子楽器を使っていても、一度スピーカーで流したものをマイクを通して録音するのだそうだ。デジタル楽器をケーブルから直接録ることでは得られない空気感が得られるらしい。山奥のスタジオで窓を開けて録音するので、ときどき鳥の声が入ったりするが、それもよしとするそうだ。
彼がどんどん山奥へ山奥へと行くのは、仙人のような性格ももちろんあるのだろうが、自然の中で大音量で音を流しても迷惑のかからない土地を求めている側面もあるという。
どれほど前のことだったろうか、東南アジアの片田舎のカセットテープ屋で、ほかはなくとも喜多郎さんのカセットだけは、マドンナやマイケルジャクソンと並んで置いてあったのを見て、同じ日本人として誇らしく思ったことがあった。彼の音にたいするこだわりは、文化を超えて支持されるのだろう。
ちなみに、喜多郎さんがシンセサイザーを弾くようになったのは、バンドで楽器を決めるとき、ジャンケンに負けたかららしい。人生には、それを大きく左右する不思議な偶然があるものだ。
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