December 29, 2007
December 26, 2007
December 23, 2007
london
パリのあとは高速鉄道ユーロスターでイギリスに移動した。窓の外の景色は、パリを出たとたんに農業国フランスを実感させるものになり、さらにドーバー海峡を抜けると、まった違う文化に来たのだと一目で分かるものに変わった。
イギリスはわずか数日の滞在であったが、充実していた。そのうちの一日は、イギリス在住の写真家Sさんにロンドンの写真ギャラリーを案内していただくという非常にぜいたくな機会を得た。
最初に行ったギャラリーでは、偶然か必然か、日本特集として、1階から3階まですべて日本人写真家の写真のみを展示していた。
そこに多く並べられていた日本の二昔ほど前の農村や一昔前の過密都市の光景を暗室テクニックでクドくさせたイメージたちは、エキゾティックを通り越して病的に私たち二人には見えた。それは、我々をひどく居心地悪くさせた。
だが、若いギャラリーのスタッフたちは、我々がそんな印象を抱いているとはつゆ知らず、いくつかの写真を誇らしげに説明してくれた。我々にとっては日本を正確にあるいは美しく反映していないと思えるイメージが、 西側の視点から見たらきっと、極東の島国にたいする彼らの固定観念を分かりやすくなぞってくれるイメージなのだろう。それは、我々東洋人が遠い国、たとえばフィンランドの写真に「ムーミンの」森や谷を期待する心理や、戦場の写真に悲惨な構図を期待する心理と、大差はないのかもしれない。
我々はその後、サルガドが世界各地で撮影したモノクロ写真を展示するギャラリーに行った。展示写真の多くは、それをギャラリーが意図したのかそれともサルガド本人が意図したのかは分からないが、写真が撮られたそれぞれの国や地域にたいするステレオタイプに多かれ少なかれあてはまる写真であった。
サルガドの撮るたとえばインドのイメージと、先ほどのギャラリーにあった日本人写真家による日本のイメージは、エキゾティック、ステレオティピカルという点において、共通するものがあった。
はたしてインド人は、サルガドのインドの写真を自分のリビングルームに飾るだろうか。
"brighton's pier"
Ricoh GR21
KR
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December 20, 2007
paris (3)
パリフォトには、日本人作家の写真も多く並べられていた。
だが、何かが違う。
日本で何度も目にした、しかもギャラリーでプリントをみたことのある写真でさえ、受ける印象が違っていた。
そこにはまるで、海外のホテルで日本の衛星放送のニュースを観るときのような、妙な距離感があった。海外にいると、 日本という国とその人々の生活が、いま目の前にある世界とは直接影響ない場所で、まったく異質な「渦」を巻いているようにみえる。 日本の国会の映像や地方の祭りでのおばあちゃんへのインタビューが、すごく遠くのイメージになる。日本にいるときは現実であるものが、海外にいると非現実に感じるのだ。
同じように、そこにある日本人作家の写真の多くは、どこか遠くの不思議な国の、不可解な「渦」に属するイメージだった。
パリフォト会場には、日本の写真界に流れる文脈とは、違う何かが流れていた。どちらが上とか下ではなく、互いに異質な「渦」のなかにあるのだ。
私はちょっと途方に暮れた。
価値というものは、立地点をかえるだけで、まったく別なものになり得るのだということを、ここでもまた見せつけられたからだ。
"another point of view"
Ricoh GR21
KR
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December 17, 2007
paris (2)
パリフォトでは、4日間通して、会場に並べられた無数の作品を何度も何度も眺めた。
幸か不幸か私にとってはどうしても欲しいという写真がなく散財せずに済んだのだが、そんな極東からの1ビジターの動向とは対照的に、欧米のコレクターたちと主に西欧と米国から集まったギャラリーとの間では、日本の写真マーケットから考えると驚愕に値するほどの量の写真と富がやりとりされていた。
我が国ではいまだ写真のプリントをコレクトするという習慣は根付いていないし、もしかするとこれからも盛んになる可能性は低いかもしれない。
その原因は、住宅事情や芸術文化の成熟度などといった誰でも思いつく安易な尺度で片付けられがちだが、本当はもっと違うところにあるのではないかと、ルーブルの地下で直感した。
それが何かは、パリフォトで自分なりにはなんとなく分かったつもりだが、まだ確信を得たわけではないので、ここで語るのはやめておく。
それに、それを考えすぎると、自分自身の作品がよからぬ方向に行きそうな気もするし。
"before dark"
Ricoh GR21
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December 14, 2007
paris (1)
もう先月のことになるが、パリフォト2007(Paris Photo 2007)に行ってきた(2007/11/15-18)。散らばっていた欧州での印象の断片を寄せ集めるのに少々時間がかかってしまったが、ようやく少しだけ整理がついた。ネガの現像も最近終わった。
さて、パリフォト。これだけフォトグラファー人口の多い日本であるが、世界で最も大きな写真イベントの一つであるパリフォトを知っている人は、案外少ないのではないだろうか。
パリフォトとは、簡単にいえば、 年に一度ルーブル博物館の地下にあるイベントスペースに、ヨーロッパ、アメリカを中心とするプライベートギャラリーや出版社が、自分たちの所有する写真を持ち寄り、売るというものだ。要は、写真の即売会だ。
だが、日本語の即売会という響きから連想される蚤の市的イメージからはほど遠く(話は違うが、よく「フリーマーケット」を”Free Market”と誤解している人がいるが、実際には”Flea Market”(蚤の市)だ)、そこで売買される写真は、最低でも1500ユーロくらいの値がつけられる(最高は知らない)。
日本の庶民的な感覚から言えば、絵画ならいざ知らず、一枚の写真に20万円の金額を出すのは、「詐欺じゃないのか」と親兄弟に揶揄されるようなものだろう。だが、欧米の写真コレクターからすれば、掘り出し物の写真が仮にその値段で手に入れば、笑いが止まらないくらいの「安い買い物」だ。
ギャラリーの出展料は、最低でも300万円。だが、それに見合うだけの売り上げがあると聞く。
買い手は、純粋なコレクターのほかに、投資目的の人も多いそうだ。世界の有名なアートオークションで、写真の占める割合が大きくなってきているのもその証拠だ。
人気の中心は、ヴィンテージ・モノクロプリントと、壁一面を隠してしまうほど大きなコンテンポラリー・カラープリントのようだ。
BMWがスポンサーになってから、かなりコマーシャル色が強くなってきたらしいが、同社が写真家に贈る賞もある。出展ギャラリー所有の写真のなかから10数点がノミネートされ、グランプリが選ばれる。
今年グランプリに選ばれたのは、Jitka Hanzlováによる11x14くらい(ノミネートされた中ではもっとも小さなイメージ)の、群れる錦鯉を撮ったカラー写真だった。それを見た時、「なんでこれが?」と思った。正直言って、日本人がよく撮る観光写真のように思えたからだ(作者はチェコ人。彼女の森の写真は好きだけど)。作者のネームバリューか、審査員方には錦鯉が珍しかったのか、はたまた私のセンスが違うのか。
***
写真はパリ市内にて。あと数日で日本では現像できなくなるコダクロームは、渡欧前にMさんからからいただいた粋な餞別。感謝。
"fallen leaves"
Ricoh GR21
KR
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December 11, 2007
December 06, 2007
summilux
先週から今週にかけて、ある雑誌の記事のために、ライカの新レンズ「ズマリットM」4本でのテスト撮影をした。なかなか面白い結果が出たと思うので、興味のある方はぜひ書店でご購入を(1月20日発売の2月号)。
ところで、その一部として、往年のライカレンズとの描写の比較をしているのだが、35ミリにはズミルックスを使用した。
絞りが開放F2.5の新ズマリットとは比較にならないので雑誌には掲載しない予定だが、こんな写真が撮れた。
ズミルックスの絞り開放。
見た瞬間思わずため息。こんなにしっとりやさしい描写のレンズが世に出ることは、もうないんだろうな。
Leica M8
Summilux-M 35mm
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