一杯のコーヒーから(1)
私は自他ともに認める大のコーヒー好きだ。どれくらい好きかというと、うちのネコのエミリオの次くらいに好きだ(かえってわかりづらいか)。
コーヒーをほとんど飲まない家で生まれ育ったので、コーヒーに目覚めたのは案外遅く、22、3の頃。ちょうどアートを志したのと時期的に重なる。
「目覚めた」と言ったのにも意味があって、コーヒーを飲み始めたきっかけが、実は眠気覚ましのためだったのだ。
大学生の時分はやたら忙しく、眠い日が多かったので、どうしたら日中しゃきっとできるか、その方法を探していた。いろんなお茶、アルコール(!)などを試したが、あるとき、コーヒーを飲んだら急に頭が冴えて、気持ちが大きくなったことがあった。
そのとき飲んだのは、学食のおばさんがいれてくれたコーヒーだったから、今振り返ればそれほどハイクオリティのものだったとは思えないのだが、コーヒーの「免疫」のない私には、けっこう効果があったようだ。それ以来、目の覚めるコーヒーを求め続けるようになってしまった。
もともと胃腸が強いほうではないので、飲み過ぎたり、質の悪いコーヒーを飲むと、かえって疲れる、眠くなることがあるということも分かった。そういう背景もあって、良くも悪くも、どんどん良質のコーヒーを求めるようになっていった。またある時点から、覚醒効果だけでなく、味のよしあしも求めるようになった。
幸か不幸かそれはそれはカメラのレンズ沼のようなもので、求めれば求めるほど魅力的なコーヒーが出てきたのである。
(つづく)
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