travel with leica

September 25, 2007

旅とライカ(23)

以前、私の場合、一眼レフでは旅の写真が撮れないと書いた。

それはもしかすると、旅写真というものが、私にとっては旅日記のようなものだからではないかと、先日ふと思った。

たいがい私は日記を、誰かにそのまま見せられるような完成形の文体では書かない。なぐり書きだ。後から読み返して、その旅を振り返ったり、自分でも忘れていたようなヒントを思い出したりするのに十分なものであればよい。誤字脱字があったって、かまうことはない。

ところが、はじめから完成形の画像がファインダーを通して見える一眼レフは、文章に喩えるならば、日記ではなく、いきなり正しい文体で、誤字脱字なく旅のエッセーを書かなければならないようなプレッシャーを私に感じさせるのだ。

だからといって、素通しのファインダーのついた使い捨てカメラでいいのかというと、それもまたちがう。

旅日記を書くなら、気分を盛り上げてくれるちょっと気取ったノートブックと、書き味のいいペンが欲しくなるように、旅写真には、気分を少しだけ高揚させてくれるカメラと、好みのフィルムが欲しくなるのだ。

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Leica M6
Summilux 35mm
400TX
Robert Adachi all rights reserved

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September 22, 2007

旅とライカ(22)

数日後、海外に撮影に行く。今回はどんな写真を撮ろうか、そのためにどのカメラ(レンズ)を持っていこうか、考えるとワクワクする。

旅先ではレンズ交換はまずできないと思って、ワンボディ・ワンレンズが私の原則。しかも、メインカメラが一台で、あとはサブのコンパクトカメラのみ。合わせて2台。多くても3台(それ以上は運搬がたいへんなだけ)。だから、メインカメラにつけるレンズ選びが、最も重要なのだ。

私は機材の選択肢が決して多いほうではないのだが、最低限の機材で最大限の効果を得るためにはどれを持っていくべきか、迷って決められないことがある(「べき」で考えるとドツボにはまる)。

だが今回は、ほぼ結論が出ている。

が、明日には気が変わってしまうかも。

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Ricoh GR21
400TX
Rober Adachi all rights reserved

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May 29, 2007

旅とライカ(21)

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Marias_1

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Leica M6 + Summar 5cm F2
F3.2 1/8s 400TX@100
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May 26, 2007

旅とライカ(20)

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>> リコーGR BLOGにインタビュー記事掲載
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04s
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Leica M6 + Summar 5cm F2
F4.5 1/250s 400TX@100
Robert Adachi all rights reserved
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May 12, 2007

旅とライカ(19)

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02s_1
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Leica M6 + Summar 5cm F2
F4.5 1/250s 400TX@100
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May 09, 2007

旅とライカ(18)

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感傷的な意味でなく、物理的な意味において、今という瞬間は永遠に戻ってこない。「今」と言葉を発している間にさえ、それは既に過去のものとなっている。

ところが写真には、その時々の瞬間としての今が、しるしとして刻まれる。

フィルムを使うとき人は、そのしるしがかけがえのないものであることを、身体的実感として理解しやすい。なぜなら、枚数に限りがあり、しかも、やり直しがきかないからだ。

一度露光してしまったら、二度とそのフィルムは空白に戻らない。だから失敗がないよう集中して、限られたコマの中に今を写す。それが意図した瞬間を捉えていることもあれば、外すこともある。だがそれはそれ。それがしるしなのだ。

他方、デジタルカメラを使うとき人は、無制限にコストをかけずに撮影できるその性質から、フィルムに比べ、今への集中力が希薄になりやすい。一コマの扱いもぞんざいになる。その場でモニタで見て、失敗と思えば消し、もう一度撮り直す。もう既にそれは、さっきとは別な今なのに、である。

使っているものがフィルムであろうとデジタルであろうと、時はなんら変わりなく流れる。去り行く今をかけがえのないものと感じられるかどうかは、フォーマットの問題ではない。撮る者の意識次第だ。

だが、私のような人間は、やり直しのきかない方の選択に魅力を感じてしまう。

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Leica M6 + Summar 5cm F2
F4.5 1/15s 400TX@100
Robert Adachi all rights reserved
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May 06, 2007

旅とライカ(17)

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Leica M6 + Summilux-M 35mm F1.4
F2.8 1/30s 400TX@100
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September 04, 2006

旅とライカ(16)

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ライカを使い始めたばかりの頃は旅先で、カルティエ=ブレッソンや木村伊兵衛、土門拳各先生を目標に、いわゆる決定的瞬間を狙った人物スナップばかりを撮っていたのだが、いつしかそのような撮影スタイルへの興味が薄らいでいった。それはたぶん、被写体と自分との関係性を意識しはじめたからだと思う。

できあがった写真をよくよく見てみると、私が通りすがりの見ず知らずの人々の面白い表情や絵になるポーズを捉えたつもりで撮っていたスナップ写真からは、面白い、絵になっているということ以外には何も感じられなかったのだ。被写体との関係性が希薄で、プリントへの感慨が薄く、私がそれらを作品として撮る意味がおよそ感じられないのだ。

自分が感動して撮っていないから、感動がフィルムに焼きついていない。当然、感動するプリントはできあがらない。加えて、被写体としっかり向き合っていないことさえも、写真から感じ取れてしまう。

撮り手がプロであれアマチュアであれ、撮る瞬間に感動し、しかもしっかりと被写体と対峙した写真からは、ある種のエネルギーを私は感じる。

5s

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Ricoh GR21
AE PKR64
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August 31, 2006

旅とライカ(15)

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旅の写真を考えるとき、いつも思い出す言葉がある。それは、Esquire日本版2005年2月号特集「旅する写真家。」で、キュレーターでもある「Purple Fashion」編集長オリヴィエ・ザムが「写真家たちは旅でビジョンを撮る。」という文の中で語っていた言葉だ。ちょっと長いが、若干補足しながら引用してみたい。

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「(略)写真家というものは、実際には私たちごく普通の旅行者のような写真の撮り方はしない。彼ら(普通の旅行者)は旅をしている間も、新しい現実を写真に捉えようとするだけだ。

写真家は彼らの(既に)知っていることや身近な現実を写真に写し取っているのであって、いわゆる旅行者がこれはチャンスだ!と思うような、エキゾチックだったりいかにも異国風だったりするものを文化的興味で撮っているわけではない。旅行者というのは自分にとって初めて見る新鮮なものを見つけただけで、それが美しいと思い込んでしまうものだ。だから、思ったままの美しさを捉えるために写真を写す。

しかし、写真家は確かにたくさんの旅をするが、その旅は決して新しい場所を見つける旅でも、変わった場所を見つける旅でも、未知なる場所を見つける旅でも、美しい場所を見つける旅でもない。彼らの旅は、ただ単に、一人ぼっちになって、風景やビル、人々の写真が映し出してくれる《私的なものの見方》を見つけ出すためにあるからだ。(略)」

102s
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Leica M6 + Summilux-M 35mmF1.4
F8 1/250s SRA
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August 28, 2006

旅とライカ(14)

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仕事でもない限り、まず一眼レフは旅には持っていかない。どうもあの覗いた瞬間に背景がボケているファインダーは、私の場合に限って言えば、旅写真には向かないのだ。

もちろん、旅は一眼レフじゃないと、という人を私は何人も知っている。

この辺はおそらく、単なる機械の好みという要素もあると思うが、それだけでなく、その人が旅先で何を見て何を感じたいのか、また、その土地やそこに暮らす人々とどのような関係を持ちたいと思っているのかとも、大いに関係していると思う。

004s
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Leica M6 + Summilux-M 35mmF1.4
F5.6 1/125s SRA
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August 24, 2006

旅とライカ(13)

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最後の海外脱出からおよそ一年。一時期の私なら、すでに窒息状態になっていて、海外行きたい病になっているところであるが、今はそれほどでもない。

振り返ってみると、かつては、窮屈な日本の現実から抜け出すことでそのとき抱えている問題から一時的に目を逸らすことができ、生活を短期間で劇的にすることができるから旅に出ていたという側面も、もしかするとあったのかもしれないと思う。

なにしろ海外に行けば、すべてが新鮮だし、知っている人は一人もいないし、為替レートのおかげで日本より楽に買い物もできるし、ホテルなら掃除もしなくていいし、翌日の仕事を心配することもない。

そして毎回、成田空港に着陸すると「やれやれ、また現実に戻るのか」と、肩を落とすのである。

103s

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Leica M6 + Summilux-M 35mmF1.4
F5.6 1/60s SRA
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July 28, 2005

瑞穂の国

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時は5月初旬。成田空港を発つと、眼下には、これまで見たこともないような景色が広がっていました。

田植え直後ないしは直前の、水が充分に蓄えられた水田が、鏡のように夕陽をうつしていました。

fromair01

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Ricoh GR21
AE ACROS100
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March 12, 2005

旅とライカ

「旅行」よりも「旅」が好きだ。

気の置けない家族や友人と行く「旅行」も好きではあるが、ときどき独りで歩く「旅」をやらないと、窒息しそうになる。私の中では、両者は違うものなのである。前者が「行くこと」と「観ること」に主眼を置いているのに対し、後者は、「体験すること」と「自分の頭で考えること」が中心となるからだ。

おそらく、最初の海外体験がいきなり一年間のアメリカでの生活だったことが影響しているのだと思う。それまで一度も海外に行ったことのなかった十代の若造が、突然アメリカの田舎町に放り出され、英語しか話せない家族と共に暮らし、地元の高校に通い、学び、遊び、運動をし、食べて、寝て、恋して、フラれて、笑って、泣いたのであるから、それに比べて、いわゆる観光旅行は、表面的すぎていつも物足りないと思ってしまう。

どちらかと言えば、毎日ホテルを移動して有名な観光地を順番に見に行くより、一箇所、それもできれば民家に留まって、そこに住む人々と同じような生活をして、その地に生きる人たちと交友を深めたいのだ。一人旅が好きだからといっても、別にバックパックを背に世界中を転々とするのが好きなわけでもない。その土地の日常の中に入って、それを体験したいのだ。

アメリカのあとにも多くの国に行ったが、いまだに深く印象に残っているのは、観光地で見たものではなく、韓国やタイの田舎で民家に泊まっておばあちゃんと一緒に朝食を食べたこととか、インドの山奥の村人と一緒にダンスしたこととか、エジプトで現地の人々と同じ服装をしてお前はエジプト人だと言われたこととか、そういう類のことが多い。

そんな「何を見たかよりも、何を体験したかのほうが大切」な私だったから、当然カメラもほとんど持ち歩かなかった。むしろ、「写真を撮っている暇があればそれをよく見て自分の脳裏に焼き付けたほうがいい」なんて、カッコつけていたクチだ。

lao_sisters
そんな私が、一転して海外で写真を撮りたいと思い始めたのは、仕事でラオスに行くことが決まったときだった。突如として、ラオスで写真が撮りたくてたまらなくなった、しかも、ニコンでもキヤノンでもなく、どうしてもライカで、だ。ほとんど衝動的だったと思う。ラオス行きの話がなければ、ライカは今でも私の手元になかったかもしれない。そう思うと、私とライカを結び付けてくれたのは、ラオスなのかもとさえ思う。

これからしばらくの間、ラオスと、そこに行く直前に滞在したタイで撮った写真をお見せしたいと思う。海外での初めてのライカに嬉々としている私の姿が、フィルムの奥にしっかり写り込んでいると思う。どうぞお楽しみに。

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Leica M6 + Summilux 35mmF1.4
F2 1/1000s TMY
Robert Adachi all rights reserved
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