写真展めぐり
昨日、時間ができたので、半日かけて3つの写真展を廻った。どれもモノクロームの写真展だったが、それぞれに個性があって、面白かった。
最初に行ったのが、菊地久子写真展「Side by Side」。すべて銀塩スクエアフォト。
今回の展示ではないが、過去に菊地さんの病院での写真を視て、感銘を受けたことがある。下手をすれば生活臭むんむんの写真になりかねない病室というロケーションで、やさしく、清潔で、前向きな写真を撮っていたのが非常に印象的だった。
今回の写真展は、ご本人いわく、人物から離れて、風景や物を中心に撮ってみたとのこと。彼女の挑戦を私は評価したい。
次に行ったのが、木村直人写真展「Wind and Window」。
こちらもスクエアフォト。欧米の写真事情にも詳しい木村さんの、こちらもある意味で日本の写真界の主流に挑戦するようなスタンスでの展示。写真にはエディションが振られ、タイトルに並んで値段がつけられている。
だが、写真そのものは、木村さんの静謐な視点。止まっているようで動いていて、動いているようで止まっている、独特の切り口だ。あえて雄弁には語らず、聞こえる人にだけ聞かせる。おだやかな確信に満ちた空間だ。
最後に行ったのが、ライカギャラリーでの上田義彦写真展「at Home」。
一般公開に先駆けてのパーティー会場だったので、人がとにかく多かったが、作品を一つひとつじっくり視ることは、かろうじてできた。
写真集が出る前から上田さんのファミリー写真は雑誌で視て、ものすごく好きだった。ローキーでローコントラストなのに、すべてのディテールとあらゆるドラマが見える上田調のプリントに驚いたものだ。何年か前のエプソンでのインクジェット展にはあえて行かず、今回はじめてオリジナルプリントを視た。
たった一点のハイエストライトを残してあとはぎりぎりまでグレーに沈めるプリントに、氏の自信と執念と美意識を感じた。
かれん夫人とエリオット・アーウィットさんも列席していた。ご本人と挨拶したとき、氣の利いたコメントが一切言えず、帰宅時にかなり後悔。

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